
両側鼻翼基部を結んだ線より鼻柱基部が後方に引き込まれnaso-labial angleが鋭角になっている症例に対し、当院では耳介軟骨移植を行うことによりnaso-labial angleを鈍角にしているが、移植軟骨の術後偏位を予防するため、軟骨を逆T字型に細工して移植を行なっている。
両側の鼻孔から鼻中隔前縁を鼻腔底まで切開し、さらに側方にも切開を広げanterior nasal spineまで剥離を行い、全体的に逆T字のスペースを作るようにする。そこに、cavum conchaから採取した軟骨を逆T字に重ねて移植する。
15例に行い、症例の経過観察期間は3ヶ月から24ヶ月であるが、術後偏位もなく良好な結果が得られた。
鼻柱部のaugmentationには、材料としてはシリコン、長掌筋腱などもあるが、異物だと術後の固定が得にくく、また軟組織では augmentationの量を調節しにくい。耳介軟骨は重ねる事によって厚みの調節をしやすいが、棒状に細工した場合だと術後偏位して断端が鼻腔内に突 出することもあった。今回、逆T字に細工し鼻腔底に密着させることにより安定性が増した。また、鼻翼軟骨内側脚よりも後方に移植することにより、移植軟骨 が皮膚の上から蝕知することもなく、鼻柱のaugmentationには有効な方法だと考えられた。